経常利益率が最も低い大学設置者20法人概要(全国私立大学経営状況の総合比較 6)
2 経常利益率3年間平均値の比較
2020年度において、通学制の学部を有する私立大学の設置者たる学校法人は、全国で約530法人あります。
ここでは、学校法人会計上の経常収支差額比率(注)を経常利益率と呼ぶことにします。経常利益率について、各設置者ごとに2015~2017年度及び2018~2020年度の各期間ごとに3年間の平均値を算出して比較しました。
(注)経常収支差額比率=1-(経常支出÷経常収入)
学校法人は株式会社と異なり利潤追求を目的としないので、株主への配当金がありません。法人の活動で得た利益を基本金に組み入れ経営の安定を図る仕組みです。学校法人の経常利益率を株式会社と単純比較することはできません。
また、短大、高校等、併設の学校も含めた法人全体の経常利益率であり、経常利益率が悪化していても、基本金含む資産状態が良好であれば資産売却による臨時収入で経営を維持できます。経常利益率だけで経営悪化が深刻化してるかはわかりません。
1)経常利益率が低い設置者
ア)経常利益率3年間平均値、最小20位以内の設置者(両期間比較)(表9)
最小1位~20位の設置者(表9)は、両期間共にすべて経常利益率-20%台以下で大幅な赤字です。最小が-70%未満、-30%未満の設置者は2015~2017年度が13法人、2018~2020年度が10法人です。
20法人の総平均は、2015~2017年度が約-35%、2018~2020年度が約-34%です。
両期間共に最小20位以内という設置者が10法人あります(黄色で表示)。
2015~2017年度の方でありあけ国際学園(保健医療経営大学)は、2020年度募集停止になっております。
また、大学開学当初は施設設備経費が嵩むこともあり経常利益率が悪化しがちですが、2018~2020年度の方で新設大学を有するのが3法人(二戸学園、新田塚学園、淳心学園)あります。
なお、松本歯科大学と晴川学舎は歯学部を有します。
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