経常利益率が最も低い大学設置者20法人の詳細その2(全国私立大学経営状況の総合比較 8)
第8回
ウ)経常利益率が低い設置者の状況2
各期間ごとの経常利益率3年間平均値最小20位以内の設置者について、人件費・学納金収入比率や補助率との関係を比較しました。
人件費・学納金収入比率とは、人件費÷学納金(学生等納付金:入学料、授業料など)収入で計算した比率です。原則、人件費が学納金収入の範囲内(100%以下)であるのが望ましいと言われています。
補助率は、国、地方公共団体等の経常費補助収入を経常収入で割った比率です。補助率が低ければ学納金収入や寄付金収入等の自己収入の占める割合が高いことになります。
変数である人件費等には、設置者法人傘下の大学以外の学校に関する分も含まれています。大学の特徴や法人の傘下学校の構成などの事情がこれらの比率に影響することを、考慮する必要があります。
a) 2015~2017年度経常利益率3年間平均値、最小20位以内の設置者(表12)
人件費・学納金収入比率及び補助率の各2015~2017年度3年間平均値と比較します。
人件費・学納金収入比率は100%超が20法人中15法人です。20法人総平均で約120%です。東京キリスト教学園と高野山学園は200%を超過しています。
補助率は20%超が20法人中10法人です。20法人総平均で約18%です。
経常利益率-30%未満、人件費・学納金収入比率100%超、補助率20%超の条件に該当するのが、5法人あります(川村学園、東京キリスト教学園、高野山学園、三室戸学園、芦屋学園)。
b) 2018~2020年度経常利益率3年間平均値、最小20位以内の設置者(表13)
同様に人件費・学納金収入比率及び補助率の各2018~2020年度3年間平均値と比較します。
人件費・学納金収入比率は100%超が20法人中11法人です。20法人総平均で約106%です。東京キリスト教学園は200%を超過しています。
補助率は20%超が20法人中5法人です。20法人総平均で約16%です。
経常利益率-30%未満、人件費・学納金収入比率100%超、補助率20%超の条件に該当するのが、3法人あります(東京キリスト教学園、三室戸学園、川村学園)。
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