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集団的自衛権論争のわかりにくさ

 集団的自衛権と個別的自衛権の違いがわかりにくいのは、国家主権の及ぶ範囲ないし地理的範囲のいずれで切り分けるかが、論者によって異なるから。安保法案反対派は概ね後者で考えているようだ。  日本の近くで発生する日本に向けられたと思われる脅威であれば、公海上を航行する米軍艦艇が攻撃を受けるか重大な危機に曝されたら個別的自衛権の対象になるので、自衛隊が米軍支援で作戦行動できる。日本から遠く離れた地域で発生する紛争は、日本人が現地にいて救護する必要がある場合を除き個別的自衛権の対象外。よって、集団的自衛権は不要。他国の戦争に書き込まれるもの、というのが安保法案反対派の論理であるようだ。  日本近海で行動する米軍艦艇には日本の国家主権が及ぶわけではないから、個別的自衛権では捉えられないとするのが政府側の考え方。遠隔地における日本人救護のため自衛隊が出動する場合も、遠隔地における日本人救護活動に当たっている他国軍艦艇が攻撃されるような場合には、個別的自衛権では対応が困難なことになる。  地理的概念で行くならば、日本及びその周辺の軍事的目標を攻撃し日本の安全を著しく低下させる恐れのある北朝鮮のミサイルを米軍艦艇が先制攻撃する場合、個別的自衛権で米軍の作戦支援を行えることになる。現行法で対応できる。  だが、反対派の連中は、個別的自衛権による先制攻撃支援のケースについて、憲法9条2項との関係を語ろうとしていない。

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