top of page
IMG_6085 - コピー (2).JPG

2019年9月1日

2019年9月14日修正

定員割れ等経営不振私立大学の状況 2018年

 

 いわゆる大学無償化、2020年度からの高等教育修学支援制度の対象となる機関の欠格要件の一つとして、下記の3要件すべてに該当する場合が定められている。

 修学支援の対象から、定員割れが恒常化するなど経営が著しく不振な大学を除外しようとするものである。

 ア)直前3年度連続で経常収支差額マイナス

 イ)直前年度で外部負債が運用資産を超過(注)

 ウ)大学・短大の場合、直近3年度連続で収容定員充足率が8割未満

 (注)運用資産=特定資産+現金預金+有価証券

    外部負債=総負債ー退職給付等積立金ー前受金

 

 この基準を参考に、修学支援対象とならない可能性がある経営不振私立大学をリストアップする。

 なお、修学支援制度の対象機関の判断では、情報公開等、経営不振以外の要件も考慮される。それに下記の理由から、あくまでも参考として捉えていただきたい。

 

 上記基準の直前年度とは2018年度、収容定員充足率の直近年度とは2019年度である。

 現時点で、2018年度の大学法人財務諸表の相当数がネット上未公開である。また、現行学校法人会計基準上の外部負債が算定できない貸借対照表が多い。このため、以下に示す独自の選択条件に基づき、リストアップする。

​1 経営が著しく不振と見られる大学14校リスト

 

1)選択条件

  • 定員充足率、2015~2018年の4年間連続で80%未満

  • 経常利益率、内部留保率、共に2015~2017年の3年間のうち2年間以上マイナス

 (計算式)

 定員充足率=学部在籍者数÷同収容定員

 経常利益率=経常利益(帰属収支差額)/経常収入

 内部留保率=(総資産-有形固定資産-総負債)/総資産

 

2)選択条件ではないが、流動比率(流動資産/流動負債)の3年間平均(2015~2017年)を記載。100%を下回ると流動負債超過

 

3)総合順位は、(A)(B)(C)(D)それぞれの順位(低い順)を基に、次の計算 式で産出された得点の低い順。

  得点=(A)の順位+(B)の順位+((C)の順位+(D)の順位)÷2

 

  上記選択基準に該当するのは、562大学中の以下の14大学である。いずれも学部 学生数(在籍者数)2000人未満の小規模大学であり、大幅な定員割れが継続してい る。

  なお、経常利益率と内部留保率が共に低いから、倒産危険性が高いとは限らない ことに注意してほしい。内部留保率の計算における負債の内容(外部負債に当たら ない退職給与引当金や前受金の占める割合)や、キャッシュフローの状況も見ない と正確にはわからない。

スライド1.PNG
スライド2.PNG

2 4年間平均定員充足率80%未満の大学83校(上記14校含む)

(類型)

 Type1:20152017年度、経常利益率と内部留保率、共に2年間以上マイナス

 Type2:20152017年度、経常利益率と内部留保率のいずれか一方が、2年間以上

 マイナス

 Type3:2015~2017年度、経常利益率と内部留保率、共に2年間以上プラス

(総合得点の計算方式)

 562私立大学個々に4指標の偏差値を算出。この4つの偏差値を基に下記計算式により算出

 (A)定員充足率(2015~2018年度の平均値)の偏差値

 (B)経常利益率(2015~2017年度の平均値)の偏差値

 (C)内部留保率(2015~2017年度の平均値)の偏差値

 (D)流動比率(2015~2017年度の平均値)の偏差値 

 総合得点= A + B +(C + D)÷ 2

 順位は総合得点の小さい順

スライド5.PNG
スライド6.PNG
スライド7.PNG
スライド8.PNG
スライド9.PNG
スライド10.PNG
スライド11.PNG
スライド12.PNG

※1 経常利益率2015年度不明

※2 2016年度までは学校法人日本橋女学館が運営。2017年に法人統合。

bottom of page